日本一の汽水湖であるサロマ湖は、オホーツク海と繋がっており、潮汐によって海水交換が行われ、この特異な環境が、豊富な栄養価を生み出し、湖内ホタテや牡蠣をはじめとした多様な魚類等の生息を可能にしています。
緑囲まれた山々から運ばれた栄養や『栄養の結晶』と呼ばれる 流氷が運んだ大自然から生み出す豊富なミネラルを受けて育だったホタテは、成長が早く、身も大きく、甘味旨味はもちろん、コリっとした歯応えのある食感が味わえる…『サロマ湖産養殖ホタテ』として、とても好評を頂いております。
また、サロマ湖の垂下式ホタテ養殖漁業は、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業として、MSC認証(マリンエコラベル)を受けています。
大量生産せず、サロマ湖の負荷がかからないよう許容量の制限を設けたり、漁具の鉛資材の禁止やゴミゼロ運動 植樹活動等といったサロマ湖ならではの環境保全が行われています。
こうした環境への配慮のなか、ホタテ養殖の生産過程については、一般的にあまり知られていないのが現状です。簡単に採れて、出荷して…って思いがちだと思いますが、年間を通して、「当年貝」、「2年貝」そして「3年貝」と各成育ごとの作業を同時に抱え、ひと手間もふた手間もかけて育てているんです。
そしてホタテは、とてもデリケート...環境的以外にも人為的に雑に扱えば、成長不良・異常貝の出現や斃死のリスクもあります。
ここでは、『くぅーさんちのホタテ養殖』についてホタテ学も交えて、ちょっぴりご紹介。
愛情注ぐ、思い入れもつまった『くーさんちの養殖ホタテ』を是非、この機会に堪能していただけたら幸いです。
地域や環境条件によって変動することがありますが、ホタテの産卵時期は主に春から夏にかけてであり、ホタテは雌雄異体で、繁殖期になると雌は卵を、雄は精子を海水中に放出します。受精2日後、孵化した幼生は、浮遊生活を送り、成長するにつれて底生生活に移行します。
浮遊幼生はラーバと言われ、関係機関が時期になると海洋調査をしてラーバ出現情報を我々漁業者のもとへ定期的にお知らせしてくれています。
このラーバは約300ミクロンサイズに成長すると付着する習性があるので、このサイズを見込んで
採集する採苗器(呼称チョーチン:素材ネトロン ネット)オホーツク海やサロマ湖へ投入します。
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冬のオフシーズンは、採苗器づくり
愛犬のんちゃんも一緒にお手伝い -

出来上がりの採苗器(チョーチン)
一連ずつ、圧縮して梱包します -
採苗器投入
投入時期の判断は慎重です
オホーツク海へ投入した採苗器は、2-4週間後サロマ湖へ移動し、成長を待ちます。
7月下旬には、6-7㎜ぐらい成長すると、イガイやミズホヤなど雑物による成長阻害やヒトデやウミセミによる食害を避けるため、丁寧に雑物を除去し選別を行い、かごに入替して成長促進させます。(仮分散)
※状況によっては、さらに目合いの小さなかごを使って仮仮分散も行います。
天候、水温、気温、塩分濃度に注意しながら、仮分散の採取作業は、深夜から午前中にかけて行われ、作業規制が敷かれるなか、慎重に行われます。
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オホーツク海へ投入した採苗器は、揚げて再びサロマ湖へ移動垂下します。
サロマ湖ならではの採取移動は特徴的 -

サロマ湖へ移動中
湖内は潮流が外海に比べて緩く波も穏やかで安定的 それでも施設の安定化を図る為、垂下時には、沈石(たちきり)を一般的より2倍使用時間をかけず数回にわけて移動します -

移動直後の付着状態 白い点…がホタテです。
肉眼では見えないけどカメラで付着判断。
移動後も付着調査が行われます。移動から0日後 -

サロマ湖へ移動後
まだまだ目合いよりも小さく、脱落もありうるので、浮力調整は、慎重に行われます。移動から10日後
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少しずつ目合いよりも大きいホタテが見え始めました
移動から16日後 -

ほぼ目合いよりも大きいホタテが主流になっってきたら、浮力調整して表層へ
移動から30日後 -

仮分散 開始直前 ここから採取します
移動から33日後
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採苗器から取り出したホタテ…
イガイなどの雑物もいっぱい -

選別機と手動でwチェックして完全にイガイを除去
慎重かつ丁寧に選別 -

選別後、適正枚数を厳守して、かごへ入れて垂下します。
ここでもイガイがあれば除去 -

採取から選別 垂下まで1クール約2.5-3時間程度‥3クールを目途に作業を行います。
気温 水温が高いと採取量も調整します作業には気を使います。
9月上旬 仮分散用にカゴへ再垂下されたホタテは、約30日後には16ー20mmの大きさに成長し、本分散として、選別され、養殖用と放流用(オホーツク海)にそれぞれカゴへいれ変えて再垂下されます。
垂下後は、冬期間の結氷や流氷流入による被害を防ぐ為、10月下旬頃、水面下(3m以深)施設を沈めて 越冬させます。
越冬を迎えるまで、定期的に浮力調整等見回りを行います。
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本分散した当年貝ホタテ
立派な稚貝になってます本分散から約40日後 -

越冬作業ー
浮力が弱くなると、沈んでヒトデの食害や成長不良もあるので、施設沈下後もこまめに浮力調整します。来春まで立派に成育を願います
厳しいオホーツクの冬が終わり、サロマ湖の塩分濃度が安定する4月中旬~下旬頃になると、越冬したほたて養殖施設を浮上します。
浮上後、本分散した養殖用ホタテは4.5-6.0㎜程に成長、これを陸上に荷揚げし、選別をかけポケットかごと呼ばれる資材へ入替をし、再びサロマ湖へ再垂下されます。
以後、施設の浮力調整や浮き球の交換を定期的に行い、成育を見守ります。
尚、大量生産や過密せず、持続可能なほたて漁業を維持する為、各個人の持つ許容量を厳守してサロマ湖の環境に対する負荷を制限しています。尚、垂下されたポケット等の資材に収容されたホタテは、各施設ごとに収容枚数が報告され、7月上旬許容量点検調査が一斉に行われます。(サロマ湖SDGSモデル)
※ちなみに放流用ホタテは、5月中旬頃 船上でカゴから取り出して出荷され(栽培漁業~種苗生産の襷渡し)、オホーツク海へ放流され、4年後には地まきホタテとして桁引きによる漁法にて漁獲されます。
入替後、垂下されたポケットかごは、時の経過とともに雑物やイガイ・ミズホヤ等の付着物によって成長阻害の影響を受ける為、7月中旬頃、高圧ポンプを使用して、1回目の洗浄作業を行います。洗浄後、わずか2か月後でも、雑物がひどい状態になるため、2回目も洗浄作業を行います。
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本分散 養殖用から取り出したホタテ
生まれて約1歳 -

本分散 放流用 船上で取り出しオホーツク海へ放流されます。オホーツク産 自まきホタテとして4年後桁引き漁法で漁獲
放流事業は 一大行事 -
本分散カゴからポケットカゴへ 入れ替え
収容枚数を少なくしてさらに成長促進へ -
出来上がったら、垂下しやすいようにくるくる巻きして水槽へ一時蓄養後、素早くサロマ湖へ再垂下
作業は素早く迅速に
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許容量点検調査の為、養殖施設には、収容枚数を明記したボンデン旗を設置します
サロマ湖SDGSモデル -

春に詰め替えたポケットカゴ 付着物による成長阻害にならないように高圧ポンプで除去
before
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綺麗さっぱりして、成長促進させます。
after -

洗浄時に除去されたゴミは、海中投棄せず、
専用のゴミ取りコンベアを利用して陸上廃棄します。環境保全に努めています -

2回目 高圧ポンプ後のポケット
水圧が適正だったか…反省と評価 -

耳吊間近の見回りー
ポケットの状況チェック
春にポケットかごへ入れ替えしたホタテは、9㎝ほどに成長し、本分散が終わった9月中旬頃~、再び陸上にて、作業を行います。カゴから取り出したのち、洗浄-選別を行い、ホタテの耳と呼ばれる付近に1.7mmほどの穴を開け、1枚1枚手を掛け、ロープに挟み込んだプラスチック製のピンに通して、1本あたり40-50吊りの出来上がりをサロマ湖へ再垂下します。
再垂下した2年貝耳吊りホタテは、もちろん越冬するまで、当年貝同様 、浮力調整等の見回りを行います。
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ポケットカゴから取り出し、洗浄選別 耳吊として再垂下
ポンプ洗浄効果で取り出しOK -

自動穴開け器 一枚一枚入れます
針を折らずに入れる方も慎重かつ迅速 -

最新の自動穴開け器 旧式と併用して迅速化
扱いが簡単で入れやすくなりました -
貝に穴開けしたホタテは、一枚ずつプラスチックのピンに通します。
牡蠣等の付着物はこまめに除去
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出来上がりは、水槽へ一時蓄養し、再びサロマ湖へ再垂下…この作業工程を1日数回繰り返します。アルバイトさん10名前後のお力を借りてます。
ナノバブル海水で元気にさせます -

垂下された耳吊ホタテ
出荷は、越冬を経て、次年度の夏〜
それまで、定期的に施設の浮力調整等行います。越冬期間中 流氷被害が懸念
厳しいオホーツクの冬が終わり、サロマ湖の塩分濃度が安定する4月中旬~下旬頃になると、越冬したほたて養殖施設を浮上します。
浮上後、昆布などの酷い付着があるときは、除去し、7月中旬~12月までの出荷を迎えるまで浮力調整や玉交換など定期的に管理を行います。
出荷時には、雑物除去をするため、洗浄し、選別したのち、取引市場へ出荷します。
尚、秋季以降の産直向けホタテについては、雑物による成長阻害を避けるため、高圧ポンプで洗浄作業を行います。
さらに、秋には、再度、洗浄、選別をし、ポケットかごへ入れ替えを行い、再垂下を行います。
発送及び出荷時には、再度 入念な洗浄・選別を行い、皆様のもとへお届けいたます。
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越冬後、浮上し、出荷までまた浮力調整や浮き玉の交換等定期的に管理します。
雑物も日に日に増えていきます -

いよいよ出荷ー
専用の脱貝コンベアを使って荷揚げ7月中旬ー 終漁まで 出荷 -

荷揚げしたホタテは、洗浄クリーナーを通して、選別されます
荷揚げー洗浄 -

大きく育ったホタテがあると嬉しくなります
3年間の反省と評価の時間
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洗浄ー選別
作業の軽減化を図る為、コンベアを利用してます規格外や弊死貝の除去 -

綺麗に汚れを落とし出荷されます
秋になると付着物は倍増 -

産直向けの取扱量は、わずか…
付着物による成長阻害を懸念して、高圧ポンプで除去 付着物の軽減化をして成長促進させます。生産者プライド -

秋季 、出荷サイクル同様 洗浄 選別してポケットカゴへ さらに成長促進
このホタテをみなさまのもとへ お届けします
